ノーコード開発のメリットとデメリットとは?

業務のデジタル化やDXが進むと、現場部門にはたくさんの"生のデータ"が溜まります。2010年代の後半から、「Data is the new oil(データは次世代の石油である)」という言葉が語られるほど、データの重要性が指摘されています。しかしながら、単純にデータを集めればよいのか?というと、それだけでは役には立ちません。
"生のデータ"を利用できる状態にするには、石油と同様に"データ加工"という精製工程が必要です。それならば業務の最前線に立っている現場部門では、どのように"データ加工"に取り組めばよいでしょうか?
便利なサービスが広がってきた昨今の最適解は、さまざまな加工が"ノーコード開発"でできるデータ加工サービスを利用することと考えます。
システムの"開発"と聞くと、さもすごいこと・ITのプロにしかできないのでは?と感じる方もいるかと思いますが、"ノーコード開発"はIT専門知識が無くても取り組める、簡単なシステム開発です。むしろ必要なのは「業務への理解」であり、まさに現場部門にうってつけのサービスです。IT専門知識が無くても業務改善が図れるクラウドサービスを、ぜひ一度使ってみましょう。
本コラムでは、"ノーコード開発"にチャレンジするにあたって整理しておきたい、ノーコード開発のメリットとデメリットを解説します。
そもそもノーコード開発とは
そもそもノーコード開発とは、その名前のとおりノーコード(No Code)で開発を行う手法のことです。従来はプログラミング言語を用いて、専門知識を持っているエンジニアなどがアプリケーションやソフトウェアなどの開発を行っていました。しかし、ノーコード開発は、ソースコードを書くようなプログラミングを必要としないため、ITやプログラミングの専門知識を持っていない人も開発を行うことができます。
どのようにプログラミングをしないノーコードで開発をするのかというと、開発ツールを使用します。ノーコード開発ツールにもとから用意されているテンプレートやパーツを、ツールの画面上で組み合わせたり操作することで開発を行います。この開発ツールが発展したことにより、専門知識のない人も開発を行えるようになりました。
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ノーコード開発のメリット
ノーコード開発は従来の開発手法と異なるためメリットと言える点は多くあります。まずはノーコード開発の主なメリットを3つ紹介します。
現場部門のメンバーが仕組みを開発できる
ノーコード開発は、あらかじめ用意されている機能単位のパーツから必要なものを組み合わせるだけでシステムが作れる、ノンプログラミングの開発手法です。「メニューから必要なものを選択する」「アイコンを適切に配置して処理順序を調整する」といった簡単な操作でシステムが作れます。
そのため高度なITスキルを持たない現場部門のメンバーでも仕組みを開発できますが、利点は何でしょうか。それは、取り扱う業務やデータの意味を知っているのは、現場部門のメンバーであるからです。
あなたの周りにも、何のためにデータを入力しているかわからない社内システムや、出力結果が今一つ不十分でいくつもの補足データを追加して最終結果としている社内システムはありませんか?そのような社内システムができる要因は、"取り扱う業務やデータの意味を知らない"人がシステムを作るからです。情報システム部門はITの専門家ではありますが、あなたの業務の専門家ではありません。
ノーコード開発が、"取り扱う業務やデータの意味を知る"現場部門のシステム開発をサポートします。
短期間で開発できる
ノーコード開発は、前述の通り「パーツを組み合わせるだけ」で開発が行えるため、他のシステム開発に比べて開発期間は圧倒的に短く済みます。あまりの簡単さから、「システムを開発している」という認識がないほど短時間で終えられることもあります。
ノーコード開発で削減できた時間や労働力は、業務部門で本来求められているおしごとに割り振りましょう。
開発した仕組みのメンテナンスが簡単にできる
ノーコード開発は「機能単位のパーツを組み合わせて開発」する都合上、残念ながら用意されていない機能は追加できません。一方で、パーツとしてすでに用意されている機能については、随時追加できます。逆に不要な機能を外すのも簡単です。
初期開発タイミングでは気づけなかった機能を追加しながら運用ができるので、いわゆるスモールスタートで業務を開始しつつ、状況に合わせた改善が反映できます。現場部門だけで常に最適な状態を維持できることは、他の開発にはない大きな魅力です。
ノーコード開発のデメリット
ノーコード開発にはメリットが多い一方で、デメリットもあります。
開発できることに制約がある
ノーコード開発では、100%希望に合わせた機能をプログラミングすることができません。なぜならば開発ツールの中であらかじめ用意されているパーツやテンプレートなど機能単位を組み合わせることしかできないからです。
例えばプログラムコードを記述するエクセルマクロVBAでは、「インターネットにアクセスして情報を自動取得する」「月末にデータ処理を行う」「複数のPDFテキスト情報をエクセルへ一覧にする」「入力フォームを作る」というように、機能を自由に開発していくことができます。一方ノーコード開発では、上記のようなことができるかは、選んだ開発ツールに依存します。必要な機能が備わっているか、事前に把握しておきましょう。
海外製のツールが多いためツール操作の習得に時間がかかる
ノーコード開発ツールは海外製が多く、日本製や日本語に対応したツールは現状あまり多くありません。海外製のツールの多くは英語で書かれているため、日本語での情報が少なく、どのようなことが説明されているのかなど記載してある内容を英語で理解する必要があります。英語が苦手な人は翻訳を行いながら操作の学習をしなければならないので、習得には時間がかかります。また、問い合わせやサポートが必要になった際にも、英語で問い合わせをしやりとりなども行わなければならないので、日本語での対応より時間がかかると考えられます。
まとめ
ノーコード開発は、取り組むべき業務課題や業務フローおよび使われるデータの意味を知る"現場部門"が業務改善に取り組むのに最適な手法です。担当者自身の手で業務に必要なシステムが短期間で開発できます。一方で開発できることには制約があるため、解決したいことを整理して把握しておくことが肝要です。
おしごと改革らぼでは、ノーコード開発でデータ変換/加工が行えるシステムを開発できる「ちょこっとデータ変換/加工」を提供しております。ちょっとしたExcelやCSVのデータ集計・加工から、複雑な業務システムのデータ移行まで、ノーコード開発でデータ変換/加工に関するさまざまな課題が解決できます。
データ加工に特化したETLツール(※)として、欲しい機能がたくさん用意されています。さらには開発ツールの利用だけではなく、コミュニティサイトで解決方法の相談や情報収集も行えます。
「ちょこっとデータ変換/加工」を使って、あなたの現場に溜まった"生のデータ"を使えるデータに活かしてみませんか? ぜひご相談ください。
※ETLとは:
Extract(抽出)、Transform(変換)、Load(格納)の頭文字を略したもの。
現場部門に溜まった"生のデータ"を活かすのに重要な3大データ処理です。
社内に存在する複数のシステムからデータを抽出し、抽出したデータを変換/加工した上で、データウェアハウスなどへ格納することができるソフトウェアのことです。
おしごと改革らぼ 北條
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